2010年05月15日

逆算の人生

心臓に持病がある。

去年、医者からこれ以上心臓を酷使すると10年もたないよ、と警告された。

返答を渋る医者から敢えて聞き出した数字だが、

その時点から10年後の「65歳」が自分の"目標数値"になった。

人はいつか死ぬ。だがその期日は誰も知らされてはいない。

日々感謝、日々燃焼などと言っても、終末の期日が分からない状況では、

目標が示されないままとにかく毎日頑張れ、と言われているのと同じで、

もうひとつモチベーションが上がらない、と考えるのは私だけだろうか…。

だが、一つの目安を示されると、そこから逆算した人生を生きることができる。

何も65歳で死ぬと決まった訳ではないが、

しかし、いつか確実にやって来る「死」を忘却しがちな日々の流れに、

その医者の警告は、ピシッと一線を引いてくれたような気がしたものだ。

かと言って、大きな目標を掲げて計画的な、悔いを残さない生き方を実践しているかというと、必ずしもそうではない。

死の間際に悔いが残ろうと残るまいと、それは些末なことだ。

迫り来る死という現実の厳粛さの前では、後悔を味わう余裕すらないだろう。

ただ、一つ発心したのは、自分の生理に正直に従うということだ。

多少の障害があろうと、将来の見通しがはっきりしなかろうと、

生理の欲するままに行動したいと思うようになった。

ステンドガラス が外の光に照らされて、その艶やかな色彩を発光させるに似て、

10年後から現在の自分を照射したとき結ぶ像は、活き活きと艶やかでありたい。



Posted by Ric. at 11:03│Comments(2)
この記事へのコメント
もがいてわめいて悲しんで苦しんで抗ってください
私ら後輩に見せてください

そして70歳を迎えたとき
「話が違うんでまいってまんねん」
と笑ってください
Posted by 〇… at 2010年05月15日 12:48
○…さんへ

頭も体もまともに機能するのは、私の場合、65歳が限界。

緩慢なる自殺に向かって一歩前進
Posted by Ric. at 2010年05月15日 19:17
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