2010年06月15日

愛着を剥がす

東京の出版社で働いていた時期、年に3回程郷里の和歌山市に帰っていた。

最初は関西出張を利用して月1度は戻っていたが、いつの間にか回数が減った。

東京暮らしは2度目だった。

1度目の6年間の東京暮らしに懲りていたので、仕事とは言え、2度目はあまり気が進まなかった。

1度目、疲労困憊して東京から帰ってきた時、こんこんと3日程眠り続けた。

和歌山で暮らし続けられればそれが一番いいと考えていた。

安息の地は和歌山しかないと思っていた。和歌山に愛着を感じていた。

月1度戻っていた頃、JR駅裏から出発する空港バスに乗る際、後ろ髪を引かれる思いがしたものだ。

それを振り切っていつもバスに乗った。

ちょうどカサブタを無理に剥がした後のように、いつもヒリヒリした気持ちに包まれていた。

それがいつの間にか、愛着を剥がし続け、東京に20年近く在ったことで、

和歌山は単なる移動の地と化し、感情の絡まない場所として内部に定着した。

果たして、今再び東京へ住むような巡り合わせが訪れたとしたら、どういう感情が湧いてくるだろうか…




Posted by Ric. at 14:24│Comments(2)
この記事へのコメント
私は大阪でしたけどー・・・

私は和歌山という街は冷たいって思ってます

ことなかれ主義の人多いし(。-`ω´-)

東京の魅力は何ですか?



東京と言えば 東京都ってフランスの街を真似した形なんですヨネ?

放射状に道が出来てるって(*'-') おもしろぃなー
Posted by じょっぷ at 2010年06月18日 08:56
東京の魅力ですか…

エネルギーのある街ということでしょうね。仕事にスケールがあって、心地よい刺激がある。

僕は代々木に長く住んでいましたが、都会のエアーポケットみたいな場所で住みやすかった。

やっぱり自分の中に正体不明、ごちゃごちゃした所、物に引かれるが性質があるんです。
Posted by Ric. at 2010年06月18日 16:46
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