2010年06月14日

恨みつらみは…

彼は、地位も名誉も名声もあった。

だが彼は、同じ組織の同期の人間と闘い、敗れた。

彼はこの4月、組織を去った。

今、その組織は内部告発のスキャンダルの中、混乱状態に陥っている。

陰で暗躍しているのが、組織を去った彼だともっぱらの噂だ。

その組織には、彼の子供も現役として所属している。父親の悪評に子供は悲鳴をあげているという。

彼の、勝者となった同期の人間に対する恨みは深い。

同期を追い落とすためなら手段を選ばないところまで彼の恨みは深行している。

さらりと去れないものなのだろうか…

敗れ去る者の出処進退の潔さは、却ってその人間の評価を高めるものなのだが…

風の噂では、彼は最近顔面神経症を患っているらしい。端正な顔立ち故、一抹の憐れを禁じ得ない。

その原因が、彼の内部に巣食う憎悪と恨みから発しているのかどうかは分からない。

人間、生きてりゃ、殺してやりたいほど憎いヤツに遭遇することもあるだろうが、

恨みつらみはさらりと水に流し、恩は石に刻む、というような処世の術を身に着けないと、

いつまでも
悪相をぶら下げて外を歩かなきゃならない。



Posted by Ric. at 02:08│Comments(0)
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