2010年09月12日

「八月の終わり」

もうあきらめていた夏が

もう一度力をとりもどした

夏は しだいに短くなる日に濃縮されたように輝き

雲ひとつない空に灼熱の太陽を誇らかに示す



そのように人間もその努力の終わりに

失望してすでに身を引いたのに

突然もう一度大波に身をゆだねて

命の残りを賭けて跳躍してみることがあろう



恋に身をやつすにせよ

遅まきの仕事を始めるにせよ

彼の行為と欲望の中に終末についての

秋のように澄んだ深い自覚が響きわたる



ヘルマン・ヘッセ『人は成熟するにつれて若くなる』より


今年の夏はガンバル。が、徐々にその席を秋に譲ろうとしている。遅まきながら、始めるとしようか…。



Posted by Ric. at 12:01│Comments(0)
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