2010年09月15日

父親探し

旧知のバーのママとちょっと深い話をした。


彼女のお父さんは、彼女が2歳の時に事故で亡くなっている。


父親の顔も声も記憶にないと言っていた。


彼女はしばしば父親の墓参りに出掛ける。


何度か人生に行き詰まったことがある、と彼女は話してくれた。


父親の墓の前で、

「なぜ私を置き去りにして死んだの」

と、行き場のない悶々とした気持ちを父親にぶつけるのだという。


彼女の清楚な佇まいからは想像できない「肉声」だった。


「父親に相談しに行くんです。返事はありませんけどね。私の父親探しです」


私の父も9年前に鬼籍に入ったが、父の事を改めて振り返ったことがない。


父の輪郭は朦朧として手掛かりがないままだ。


私も父に語り掛けねば…。




Posted by Ric. at 18:40│Comments(0)
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