2010年09月21日

人間が試される

先日個人的に書籍制作を頼まれたが、相手の方は今、奥さんの自宅介護をしている。介護1とのこと。


彼とは20数年の付き合いだが、奥さんに預けた実印が忽然と所在不明になり、ある日、スリッパの中から出てきたなど、


介護にまつわる悲喜こもごもを以前から聞かされていた。


その時は「大変だなあ」と他人事のように聞いていたが、


いざ自分が同じような立場に立たされてみると、その苦衷が手に取るように理解できる。


夫81歳、妻82歳の典型的な老・老介護。


私の場合は、私56歳、母87歳。自宅介護による私の仕事への影響はある。


だが、目の前で倒れている人を見れば、誰だって助け起こそうとする。


ましてやそれが肉親であれば、なにはさておき助け起こすのが肉親の情であり、一個の人間としての真っ当な姿だ。


介護は、介護する側の人間が試されるということをいま痛感している。


自分の持つ頑迷さ、他人への労りの欠如、愛情の希薄さ等々を嫌というほど思い知らされる。


まだ十分な介護はできていないが、

ただ、一つの収穫は、ここから逃げてはならないという腹構えができたことだ。



Posted by Ric. at 18:58│Comments(0)
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