2010年11月10日

わしは何も知らんが…

わしは何も知らんが…

「あの若い娘が建物の一階に住み、赤ん坊を身籠っていたことなど、わしは何ひとつ知らない」

「戦争さえなければ、赤ん坊の父親と幸せに暮せたのだろうが―」

「わしは何も知らんが、あの娘の不幸も、赤ん坊の父親の悲しみもよく分かる。戦争がいかん。戦争をしちゃならん」



第二次世界大戦下、ユダヤ人狩りが横行したドイツ・ベルリンでユダヤ人女性と暮すようになった日独混血の日本人駐在武官。


事実が露見すれば2人は収容所送りになる。


アパートの一階で人知れずひっそりと暮していた2人だが、身籠った女性は空襲で命を落とす。


アパートの四階に住むヒャルマー爺さんが病気で息を引き取る寸前、

手厚く看護してくれた日本人武官を前にしてこう告白した。


アパートの住人は誰も2人の事実を知らないと思っていたが、ドイツ人のヒャルマー爺さんだけは知っていた。


秘密警察に密告することもなく、じっと2人を見守っていた…。


『ヒトラーの防具』読了。



Posted by Ric. at 21:35│Comments(2)
この記事へのコメント
へんに

不思議に

Ricさんのブログは

おもしろい。

だから 気になるのよ~~

ついつい 見ちゃうよ~

だから・・

ファイトだよね!!
Posted by とも at 2010年11月10日 22:54
ともさま

ありがとうね^^

たかがブログされどブログ…

ブログ書いてると、
けっこう孤独になることありましてね。

内面を痛めつけるクセから早く脱却しないと。
Posted by Ric. at 2010年11月10日 23:54
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