2011年04月22日

父親の遺し物

玄関脇にスチール製の簡易物置がある。


この中に父親が遺した様々な物が収納されている。


父親は若い頃大工をしていた。

当時使っていたカンナやノミ、墨壺などの大工道具と、

2度の召集で、中国と南方から持ち帰った身の回り品がぎっしり詰まっている。


父親は整理好きだった。


9年前に癌で他界したが、生前に自分で整理したものだ。


父親の死後、
この物置の扉は一度も開けられていない。


それは恐らく、当時の母親に父親を偲ぶ気持ちの余裕がなかったのだろうし、私自身も和歌山にはいなかった。


母親の父親への供養の気持ちは、仏壇の遺影を毎日拝むことと、月一度の墓参りで昇華されて行ったのだろう。


しかし、母親も90近い歳になった。


扉を開け、父親の遺し物から父親の一々を偲ぶ時期が来ているように思う。



Posted by Ric. at 04:49│Comments(0)
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