2010年07月07日

本気

不倫は社会的常識からいって糾弾される対象になるだろう。

だが一皮めくれば、社会的常識の範疇で生きている人間は少ない。

男が女を、女が男を好きになるのは、社会的常識に照らし合わせてのことではない。

結婚している相手を好きになることを誰もとがめられないし、自然だ。

問題になるのは、生煮えの状態でそのものが食卓に出された場合だ。

ちゃんと調理された料理なら、そこには人を納得させる"何モノ"かがある。

要は、本気であるかどうかだ。

双方が本気であれば、世間の常識を錦の御旗のように振りかざす付和雷同の輩の声ははね返せる。

だが、生煮えにはいつか破綻が来る。

覚悟と本気が、孤塁を守る二人の唯一の力なのだ。  


Posted by Ric. at 22:40Comments(2)

2010年07月07日

狎れ

狎れる、ことがあまり出来ない。

どこか冷静、他人行儀で打ち解けにくいと言われることがある。

多分、狎れることを知らないからだと思う。

直ぐに居住ま居を正してしまうところがある。

狎れが来てしまうと、両の手指の間から「大事なモノ」がこぼれ落ちそうな気がするのだ。

それが、怖い。

特に酒場での「狎れ」は見苦しい。

酒の席で緊張感の失せた男ほど見ていて嫌なものはない。

酒は人を弛緩させ、時として人間の本性を露にさせるが、酒場はゴミ捨て場ではない。

酒の酔いもあろうが、対象への狎れから自制を失い、見苦しい姿を露呈してしまう。

狎れは、酒場だけの話に限ったことではない。

全ては対象へのそこはかとない慮りと緊張感の欠如からくる。

「大事なモノ」は、狎れの隙間からぽろぽろこぼれ落ちるものなのだ。  


Posted by Ric. at 06:58Comments(0)